僕の想い

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近藤さんは近頃、体調がすぐれない様子で布団のなかにいる時間が長くなっている。 近藤さんのことだから、大丈夫だ。なんて、いつもの笑顔で言ってるけど僕にはお見通しなんですよ。何十年一緒にいると思ってるのですか? せめて、僕の前だけは無理しないでくださいよ…。 沖田は絞りたての、手拭いで近藤さんの腕、首、足と拭いていく。 心地いいのか、全く起きる様子がないから、ついでに顔も丁寧に拭いていく。 (少し、痩せましたか?) 少し、頬骨が出てきた近藤さんの顔を見つめ瞼を落とす。 (お粥にも手をつけてない様だし…。) ふと横をみれば今朝に出した、お粥が手付かずのまま冷えきっている。 仕方なく、お粥を下げると静かに部屋を後にした。
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