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唇を噛み締め、俯く玲菜。
「ご、ごめん」
何かまずいことを言ってしまったということはよくわかったので、ひかるはとりあえず謝る。
「本当にお人よし」
吐き捨てるように玲菜は言った。
「その頭を吹き飛ばせば爆発するわね?」
携帯電話を取り出すと、短く二言三言話してポケットに納める。すぐさま先程のセダンの運転手が例のひかるが収容されていた施設を破壊した兵器を持って現れた。運転手はそれを玲菜に渡すと、一礼して下がっていった。
「上之宮重工業の開発した超小型レールガン。頭を吹き飛ばすくらい造作もないわよ」
「ま、待って――」
絶対絶命と思われたその時、一匹のバッタが二人の間に割って入り、玲菜の服に止まった。
玲菜は、絶叫した。レールガンとやらを放り出し、バッタを見ないようにしながらも必死に服をはためかせ、振り落とそうと暴れた。
「お願い! 助けて! 私、虫だけは!」
泣き喚きながら言う玲菜を見兼ねて、ひかるは服についたバッタを手でつまんで取ってやった。
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