ひかる少年を救え!

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 上之宮コンツェルン。歴史を辿れば戦前の財閥にまでさかのぼる、巨大企業グループ。  玲菜は、その創始者の直系に当たるのだという。見た通り家も立派で、玲菜が自由に扱える資産もひかるが聞いても理解することすら難しい程のものだ。  政府にも太いパイプを持ち、ひかるの情報も簡単に手に入れることが出来たらしい。  これ程の存在を一時的とはいえ味方につけられたのは、ひかるにとって大きな光明だった。  政府は現在血眼になってひかるを捜している――というのは玲菜から教えられた情報だった。政府の極秘事項まで筒抜けとは、本当に恐ろしい。 「その宇宙人と、話し合いには持ち込めないの?」  ひかるはまずそう訊いた。 「そんなこと、もう政府はやってるわ。でも一蹴されて、今の結論に至ったのよ」  当たり前か――とひかるは肩を落とす。  玲菜の屋敷の一階、ひかるの家全体の土地よりも広いのではないかと思われる程広大なリビング。そこに置かれた革のソファの前の方に委縮しながら腰かけ、ひかるはミルクと砂糖を入れた紅茶を警戒しながら飲んでいた。
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