泣き虫の女王様

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少年はまるで置物のように動かなくなり、雲を持ち上げるみたいに軽くなってしまいました。 友達は、少年に水を飲ませてみました。 とくとくとく と、水が流れる音がしました。でも、水の貯まる音はいくら飲ませてもしませんでした。 その夜、雨が降りました。 次の日、少年の好きだったキャンディーを食べさせてみました。 ころころころ と、音がするだけで、5つ食べさせても少年はなめませんでした。 その日の夜、キャンディーが降った。と、友達の一人が言いました。 大人たちは自分の子どもが少年と同じになるのではないかと怖れ、少年に近づかないように言いました。 少年は少しずつ透明になっていきました。
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