1人が本棚に入れています
本棚に追加
少年はまるで置物のように動かなくなり、雲を持ち上げるみたいに軽くなってしまいました。
友達は、少年に水を飲ませてみました。
とくとくとく
と、水が流れる音がしました。でも、水の貯まる音はいくら飲ませてもしませんでした。
その夜、雨が降りました。
次の日、少年の好きだったキャンディーを食べさせてみました。
ころころころ
と、音がするだけで、5つ食べさせても少年はなめませんでした。
その日の夜、キャンディーが降った。と、友達の一人が言いました。
大人たちは自分の子どもが少年と同じになるのではないかと怖れ、少年に近づかないように言いました。
少年は少しずつ透明になっていきました。
最初のコメントを投稿しよう!