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日に日に少年は硝子のように透き通っていきました。
少年の胸に耳を当てると、心臓の音の代わりに
しくしく しくしく
と泣き声が聞こえてきました。
「そこに居るのはだれ?」
ますます少年は透明になっていきます。
透き通た少年の胸の真ん中で女王様が泣いていました。
どうしてそこにいるの?どうして泣いてるの?
みんなは口々に訊ねました。
女王様の声はみんなに聞こえませんでした。すると、少年の口が動いて女王様の代わりに話しはじめました。
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