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心がなんだか分からなくて
頭の中がぐしゃぐしゃになって
みんな泣き出してしまいました。
すると、涙と一緒に何かが
ころり
と溢れてきました。
そっと手のひらで掬うと、それは透明な小石の様に見えました。
触ってみると、つるつるしたり、ざらざらしたり、また、ちくんと刺すような痛みやほっとするような暖かさがありました。
光にかざすと黄色や緑、赤や紫と色を変えて輝きました。
みんなで、それを急いで組み立てると、少年の元に持って行きました。
女王様は、みんなの涙から出てきた石を見ると、白い光になってすうっと少年から抜けて、石にくっつきました
かちり
と音がして、石は黒い光を放ち輝きました。
光が消えると、石は一回りほど大きくなり、虹色の光を放っていました。
極彩色のそれを、女王様が居た場所に押し込んで、少年の友達は思い出していました。
自分たちに女王様の話をしてくれたのは、少年だったことを。
―おわり―
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