練習

3/3
前へ
/8ページ
次へ
――ダンッ―ダンッ―― あたしは彩那にボールを奪われないようにつきながら、仕掛けるタイミングを伺っていた。 先に仕掛けたのは、彩那だった。 ものすごいスピードで、ボールに手を伸ばしてきた。あたしはそれをかわすと、一瞬の隙をついて、彩那を抜きにかかる。 だが、そんなことでひるむ彩那ではない。すぐさま体勢を立て直すと、再びボールを奪いに来た。 コースに入られたあたしは、コートの反対側にいた後輩を見る。その目線につられ、一瞬だが、彩那もあたしから目を反らした。 ――今だ!―― 彩那が目を反らした瞬間、あたしはドリブルを止め、シュート体勢に入る。一瞬の隙をつかれた彩那だったが、すぐにシュートを止めようと手を伸ばす。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加