第一章 ハナシノキッカケ

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あの入学式の日から約一年 簡単に言えば駄目だった 始めは大分仲良くても、今まで話さなかった事に、頭の良さから妬まれたりしている 結果、クラスでは溶け込めなくて孤立 最近は保健室に入り浸ってる次第だ 四季「はぁ…」 こんな生活嫌だ いっその事、クラスにいる不登校で留年したらしい人と一緒で引きこもろうか 昼休みに コンコン 四季「失礼しまーす」 「はい、…また来たのね?」 四季「どうもどうも、寝かして下さい」 「まったく、鐘が鳴る前には起こすわよ?」 四季「はいっす」 この人は保健の池上 沙酉(いけがみ さとり)先生 自分のサボりを黙認してくれてる この学校で一番多く話してるんじゃないだろうか? ベッドに腰掛けて靴を脱いだときに 沙酉「あっ、そうだ! 君に頼みたいことがあるんだけど、良いかな?」 四季「頼み…ですか? 内容次第ですね」 沙酉「貴方のクラスに雛月さんっているでしょ?」 四季「ひなつき? いやー…知らないです」 沙酉「不登校の娘よ? 知らないかな?」 四季「ああ、雛月さんって言うのか。 それで、雛月さん?が、どうしたんですか?」 沙酉「ええ、登校させてあげてくれない?」 … ……ん? 四季「はい…?」 沙酉「端折り過ぎたわね。1日だけで良いから登校させて欲しいのよ、身体測定とかさせなきゃいけなくて…」 四季「はぁ…、僕に拒否権は?」 沙酉「使っても良いわよ~。サボりを公にするだけだから」 これは痛いところを… 四季「くっ… 行って軽く言うだけですよ? 知ってるでしょう? 話すのは苦手なんですよ」 沙酉「まぁ、良いわよ。住所は紙に書いて渡した方が良いわよね?」 四季「お願いします」 面倒だな どうせ暇だし良いけどさ 先生には恩もあるし、これ位はしなきゃな 沙酉「綺麗な娘だから口説いてみたら? 彼氏出来たら登校するようになるかも!」 何を言い出すんだ? 四季「沙酉先生には先生としての自覚が…」 沙酉「なに? 不純異性交遊する気満々なの?」 四季「いや、そうじゃないんですけどー…。良いです、どうせ口説きませんし」 沙酉「あら、残念」 残念って それはどうなんだよ? その後は放課後まで特に何もなく進んだ そして 四季「意外と近い…」 徒歩15分位で着いた普通な一軒家 清楚な感じで結構好みだ ピンポーン インターホンを押す …出ない ピンポーン ……出ないな ピンポーン
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