第一章 ハナシノキッカケ

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雛月「かぜとりで良いや」 四季「まぁ、呼びやすいならそれで良い」 雛月「下は?」 四季「四季、風鳥四季。 風に鳥に季節の四季」 雛月「かぜとりで良いの?」 四季「まぁね、雛月さんは?」 雛月「下の名前?」 四季「勿論、教えてよ」 雛月「菊花、雛祭りの雛に月、菊の花」 四季「きくか…、雛月さんで良いよね?」 雛月「うん」 四季「それで、何か話そうとしてなかった?」 雛月「かぜとりはどうして学校に行くの?」 四季「それは…」 確かにどうして? そういえばどうしてだ? 考えてもいなかった 考えようともしてなかった 周りが行くから流されて だけど嫌なら行かなければ良いのに 四季「なんでだろうな」 雛月「えっ?」 四季「なんでだろう」 雛月「……知らないよ」 四季「そりゃね。でも、逆に君は?」 雛月「それは、行かない理由?」 四季「そう、何で?」 雛月「嫌だから」 四季「シンプルな解答だね」 雛月「そんなこと初めて言われた」 四季「あー、普通は間違えてるって言うのか、でもさ、気持ちが何となく解るんだよね」 雛月「変人」 四季「清々しく自虐だよね」 雛月「…変態」 四季「失敬な奴め!」 雛月「じゃあ恋人?」 四季「!?」 なっん ええぇ? 雛月「顔赤い」 四季「誰のせいだよっ」 純情弄ばれた! 雛月「今、凄く楽しいわ」……うあぁ 笑顔が可愛い… 改めて感じてしまうな、これは… 四季「そ、そうだな、自分も初めてここまで話したかもしれない」 雛月「そうなの?学校行ってるのに?」 四季「クラスでは孤立してるし」 雛月「…それでも行くの?」 四季「そうだね、嫌でも行かなきゃ。雛月さんが羨ましいよ」 雛月「自由、だから?」 四季「うん、楽じゃないか?」 雛月「そうでもない、やることないし周りの目もある」 四季「そういうものか、結論は無い物ねだりなんだよな」 雛月「そうかも」 てゆーか 今更だけど何でこんな話になったんだ? 登校するように注意するはずが、言いくるめられてる気がする 初めて会ったってのになぁ 四季「まったく、なんなんだか」 雛月「? 何?」 四季「学校に来るように言いに来て、来ない理由を探してるんだよ? 今さ」 雛月「…そうね」 四季「馬鹿みたいだな、これ」 雛月「そう、ね」 四季「学校、来ないか?」 雛月「まだ、言うの?」 四季「一応はな、本当に来ないか?」 雛月「嫌、本当に嫌」
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