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目の前で繰り広げられる言い合いを見ながらついつい顔がほころぶ。
要が笑ってる……。
あれから要は、美里さんという保健室の先生とは別れたらしく次の日にあたしにさらっと言った。
そしてそれは成澤恭介も知っていたらしく、別れたことを言えば大して驚きもせず、あぁそう。と一言で終わったのだ。
男というものはこんなにもアッサリとしているのだろうかと思ったけど、本当に何も気にしてない様子だったのでそれ以上問うこともなかった。
そしてまた1週間。
また一歩仲良くなれた気がした。
と、まぁそんな風に先週のことを考えているとムギュと頬っぺたを引っ張られた。
「ちょっ!!ひたいひたいっ!!!」
「柳瀬聞いてんのか?お前にも言ってんだぞ~!!」
そう言ってあたしの頬っぺたを上下に引っ張るコイツはあたしの新しい友達。
先ほどから要とニヤニヤ会話していた男である。
名前は、木下翔太(キノシタショウタ)。
色素の薄い茶色の髪の毛をしていてなぜか前髪をいつもちょんまげにしている。
顔が整っているからそのちょんまげも似合っているのだが。
そしてとにかく持ち物が可愛らしかったりする。
可愛いウサギのキーホルダーだったり、目の丸い猫のイラストが入ったノートだとか。
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