67人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
‐‥‐‥‐‥‐‥
時は土曜日、PM6:30。
約束の時間まであと30分余り。
寮の部屋124号室で、あたしはベッドに並べた服と向き合い着る服を選んでいた。
あぁ………どれにしよう。
「服選ぶのにそんなに時間かかるわけ?」
フッと後ろを振り替えるとベッドに手を着いて座りながら面白そうなものを見るようにしている成澤恭介。
「仕方ないだろ?
男磨きのための合コンなんだから、ちゃんとした服を選ばなきゃ。」
両手にズボンと上着を持ちながら真剣な面持ちで成澤恭介に言うと、ヒョイとベッドから立ち上がりあたしの元へとやってくる。
「これとこれにしとけ。
ほれ。」
そう言ってポイッとあたしに選んだ服を渡してきた。
と、同時にいつかの嗅いだことのあるあの甘い香水の匂いもした。
「……………香水?」
「あ?」
「いや、あのさ。
成澤恭介って香水とかしてるのか?」
「あぁ、まぁしてるけど。って…………アンタさ。」
ふと気になったことを訪ねる。
すると少し動揺しながら答えた成澤恭介は、それよりもと言った表情であたしに言う。
「………何だ?」
「お前いつまで俺のことフルネームで呼んでんの?」
「…………あ。」
.
最初のコメントを投稿しよう!