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PM7:00。
赤と黒のチェック柄の薄めの上着に膝下ぐらいまでのダメージジーンズをはいたあたし。
黒のブイネックの上から紫のダウンジャケット。
ジーンズにお洒落な靴を履いた成澤恭介。
「なぁ?」
「何だ…………?」
「成澤恭介は寒がりなのか?
ダウンジャケット着てるし、春に毛布頭まで被ってるし。」
「あ、ばれてた。」
……………やっぱりこの人は寒がりだったようです。
数日前から思っていたことを尋ねると、やはりあたしの勘は当たっていたようだ。
ダウンジャケットという見るからに暑苦しいのに、なぜかこの人が着ていると爽やかに感じる。
「あ、あいつらじゃね?」
不意に隣を歩いていた成澤恭介から少し遠くにいる何人かの固まりを指さされる。
あぁ…………
「ホントだ。」
「マジで女いるじゃん。俺、帰りたい………。」
一瞬にして嫌なものを見るかのような目に変わる成澤恭介。
「どうかしたのか?
前も合コンの話出た時嫌そうだったけど。」
あたしは女の子とお喋りできるのなら別にいいんだけど。
なぜか猛烈な黒いオーラを感じる。
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