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臥龍と称された諸葛亮(ショカツリョウ)は劉備の死後、六度に渡り北伐を繰り返し、五丈原の地にて陣没する時まで粉骨砕身の覚悟で働き続けた。
その北伐の最中に出会ったのが姜維伯約(キョウイハクヤク)という青年である。
魏の将であったが味方に裏切られ、降伏を余儀なくされた姜維は諸葛亮のもとに投降した。
槍を使えば右に出る者はおらず、知謀策略ともに秀で、性格は剛直だが真面目で覚えもよく、諸葛亮は「今まで私は自分の知識を伝える弟子を見つけられずにいた。しかしここに見つけた」と言って喜び、姜維を寵愛した。
姜維も諸葛亮の弟子として熱心に学び、諸葛亮をして「涼州最高の人物である」と称された。
そして諸葛亮が没した後、蒋エンや費イ、董允といった有能な文官が蜀漢を支えていくことになるが、費イが敵の降将に刺されたことを契機として姜維に蜀漢を左右するチャンスが訪れる。
ここに姜維は北伐の意志を表明し、大規模な軍を興した。諸葛亮以来誰もできなかったことを、諸葛亮の弟子たる姜維が初めてやってのけたのである。
劉備から諸葛亮と受け継がれてきた赤々とした灯を、その胸に秘めて。
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