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正門の上に飾られた『桜丘中学校入学式』という看板が、数メートル先にはっきりと見えてきた。
門の近くにいた先生がおはようと声をかけてくる。
それと同時に学校のチャイムが鳴る。
「こら、お前たち」
入学式早々遅刻で怒られるのが嫌だった僕たちは、言い訳を考える間もなくそのまま先生を通過した。
後ろで先生が何か言っているようだが聞こえなかった。
グラウンドは車がたくさん駐車してあり、少し奥にたくさんの生徒たちが見える。
クラス発表の紙が貼られているところへ着くと、すぐに自分たちの名前を探す。
どうやらクラスは全部で七つあるようだ。
周りでは同じクラスになって喜んでいる子や、別のクラスになって少し落ち込んでいる子もいる。
「おい和真、俺たち同じクラスだぜ」
「ほんとに、よかった」
思わず安堵のため息が出る。
クラスは五組だ。
同じ小学校出身の子も何人かいる。
でもその子たちとはあまり喋ったことがなかったので、祥浩がいてくれてほんとによかった。
担任の名前や詳しいことは他に書いてない。
おそらく式の中で発表されるだろう。
僕たちはクラスを確認したあと、すぐ後ろに建っている体育館に入っていった。
カーテンをずらして中に入るとたくさんのパイプ椅子が並んでいた。
そのうちのほとんどが埋まっている。
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