誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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「その可能性も大いにあり得ますが、そうすると優也は……というより私たちも含めて全員が伊集院さんに試されているという風に捉える事が出来ますね」 伊集院さんに……試されている? どうやらそれが香奈の結論らしく、とにかく本気で俺たちを潰す気なら3日の猶予なんて甘い考えは棄てるはずとのこと。 あまり想像はしたくなけれど、もし俺が伊集院さんの立場だとしたら確かに別の考えがない限り余計な時間は与えないと思う。 これがもし本当ならまだ俺たちは諦めてはいけないし、むしろ起死回生の一手が眠っているのかもしれない。 「ですから優也、まずは明後日に両親が帰って来る予定の久遠姉妹の事から考えるのが妥当かと」 「なるほどね……うん。私もそれがいいと思うわ、またあの女に操られると思うと少し癪だけれど、優也さんが助かるなら仕方ない事ね」 そして最後に頭の回転が早い2人のお墨付きを貰い、こうして昼休みの話し合いは最初に離婚問題をどうにか回避させようという事に決まった。 しかしその日の放課後、優也はどうにか2人の両親に会えないかと電話でカーターに交渉したが、返ってきた答えはノーであった。 「どうしてですか!2人が離れ離れになるかもしれないのに、カーターはそれでもいいんですか!?」 「すみませんが優也様、こればかりは家族間の問題です。その問題に優也様が口を出されれば更にややこしくなってしまうかもしれません。そしてそれは私やボブも同じです」
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