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そうあっけらかんとして言ったカーターだが、優也は驚きで声を一瞬失った。
「か、解雇って……それじゃあその後はボブもカーターもどうなるんですか!?」
「それは……実のところまだ決まってはおりません。私もボブも一生を久遠家で仕える所存でしたから」
寂しそうに呟くカーターだったが、優也は自分と同じようなたち位置にいる2人をどうしても無視できなかった。
そんなのあんまりだ……急に別れの報せがあって、それに対して自分は何もすることが出来ずただ周りの状況に流されていく。
悔しいけれどそれが現実……だと優也は易々と諦めるはずがなく、カーターにこう話を持ち掛けた。
「カーター。もし良かったら俺と最後の賭けに出てみませんか?」
「最後の……賭け?それは一体どういう内容の話をなんでしょうか?」
「まだ具体的には決めてないんですが、俺もあなたもこの先何もしなければ自分の大切な場所を失ってしまう。だったら……これが最後だと思って派手に何かをやってみましょうって事です」
そんな優也の持ち掛けた話にカーターは暫し無言になった後、こう呟いた。
「優也様はやはり人を惹き付ける何かが長けているようですね。そんな優也様のお力になれるのなら……私もボブも協力致します」
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