誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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この力強い助っ人に優也は自分を奮い立たせ、改めて自身がやるべきことの大切さを認識する。 もし俺が失敗すれば……という考えはもう捨て、優也はカーターとの電話を終えてからすぐに何か出来ることを考えるのだった。 そして時を同じくして学園の放課後。 高等部の生徒会室では3人の女の子がテーブルを囲んで昼休みの話について各々意見を述べていた。 「やっぱり伊集院さんのところへ行って優也君の退学を考え直してもらうしかないよ」 「それは絶対に無理ね……そもそも私たちが行っても話すら聞いてもらえないんじゃないかしら?」 「舞に同意。ここまでやって、はい分かりましたで終わる訳ない」 その生徒会室にいるのは優希を抜いた3人で、優希は沙恵に呼ばれ不在であった。 しかしそれでも取り掛かる問題は変わらず、学園の仕事よりも優先して今日の昼休みの事についてを会議していた。 だが千佳は、昼休みからいの一番に優也を助けたかったらしく、それは放課後になっても変わらないでいた。 「どうして優也君がこんな目に遭わなくちゃいけないのかな……何も悪いことなんてしてないのに」 そう千佳は愚痴を溢すが、納得のいかないのは皆も同じである。 そんな中、舞は人一倍優也の心配をする千佳を見て前々から訊ねたかった質問を口にする。 「そういえば千佳、あなた優也さんが学園に入ってから変わったわよね」
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