誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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「千佳……また現実に戻すようで悪いけれども、もしかすると優也さんとはあと3日で会えなくなるかもしれないのよ?」 そんなことは百も承知であり、そもそもこの話を切り出したのは舞の方だろうと千佳はぶつぶつ呟いていたが、気にせず舞は千佳に言葉をかける。 「だったら……千佳はこのままお別れ、なんて事になってもいいの?」 その言葉はつまり優也がこの学園を去る前提で話されていると分かり、千佳はカチンときたらしくガタンと勢いよく席から立ち上がる。 「舞ちゃん!さすがにそれはまだ気が早いんじゃないかな!?そんな弱気な発言するなんて舞ちゃんらしくないよ!」 「けれどもその可能性は低くはないのよ?もしもそうなったら……あなたは気持ちを伝えずにお別れしたいわけ?」 どうやらこれが舞の言いたかった事らしく、千佳はそれに口ごもってしまう。 ここ最近の千佳は良い意味での変化をしていると舞も智恵も知っている。 優也が学園に入る前、千佳はアイドルという立場が嫌で嫌で仕方がなかった。 理由は千佳が誰かと順位を競ったり、順位をつけられるのを極端に嫌い、特にそれを学園の仲間同士でするなんて正気の沙汰ではないと思っていた。 誰かと順位をつけられるというのは、1番と2番が決まる事でありそれだけで差ができてしまう。
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