誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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この学園では成績の順位で日夜そのような競い合いが激しく、生徒会に入る前から千佳はそんな学園が嫌いだった。 そんな時に声を掛けてきたのが優希であり、それを打ち明けた時もそんな学園を変えたいなら是非生徒会へ……と言われ千佳は参加を決めた。 しかし実際はアイドル生徒会等と呼ばれ、特に千佳の人気は歴代でもかなりの人気を誇ってしまう。 それは千佳の嫌であった他の誰かと競うという形になってしまい、他のメンバーにも、そして……同じ学園の仲間にも罪悪感を抱いてしまった。 だから千佳は出来るだけ皆と平等に接する事を決め、必死に高等部の生徒たちの名前や細かな情報を覚えた。 いつ誰と話してもいいようにと……。 そんな時現れたのが優也であり、まだ春の気持ちの良い風と桜の花びらがひらひらと舞っていた入学式の出逢い。 その出会いから千佳の何かが変わったのは明白であり、その変化に周りはもちろん千佳も薄々は気付いていた。 しかし……。 優也と関われば関わる程自分の気持ちは惹かれてしまい、それは他の人も同じである。 そしてある日千佳は気付いてしまう。 また誰かと競い合わなければならないのかと。 やっと手にした自分の心地の良い場所だが、きっといつかは優也の隣に誰か大切な人がいて、その人が優也の1番の人である。
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