誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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だが深夜まで様々な案を考えてはみたものの、これだと言える案は結局浮かんではこなかった。 そしてタイムリミットが残り2日となった翌日、優也は授業中にも関わらず机に突っ伏しながら頭を抱えていた。 本当ならカーターを通して両親に会うのが1番可能性があるとは思うんだけど……部外者が口出しをするなと言われればそれまでなんだよな。 しかも怒りで更に話を拗らせても本末転倒というものだ。 もしこの案の欠点をカーターに教えてもらっていなければ俺は迷いなく明日和羽と関羽の家に行っていたと思う。 それだけに難しい問題で、優也は授業中もこうして悩み続けていた。 向こうの両親に顔がバレないように近付き、尚且つ離婚の話を無しにする方法……果たしてそんな一石二鳥な案があるのだろうか。 そんな夢のような案がどうにか閃かないものかと無意識のうちに神頼みしていると……。 「……たに。上谷!聞こえんのか!上谷!」 「えっ?あっ。は、はいっ!」 いつの間にか優也の目の前には授業をしていた教科の先生が立っており、完全に上の空だった優也はいきなり呼ばれ、驚きで椅子から反射的に立ち上がった。 「そんなに俺の授業が聞きたくないなら一階の会議室から教材を取りに行ってこい。授業が終わる前にな」
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