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もはやそれを断る選択肢はなく、優也はがっくりと肩を落としながらそれに頷き、おぼつかない足取りで教室を後にした。
はぁ……俺って昨日から空回りばかりじゃないか?
自分が最大のピンチなのは分かるけど、こんな調子ではあっという間に期限の3日なんて過ぎてしまう。
現に残りは2日なんだし、もっと気合を入れて気を引きしめないと……。
優也はそう思いながら自分の両頬をパシパシと叩き、とりあえずは教材を早く持ってこようと早歩きになったところで、背後から急に声が掛かる。
「優也……もしかしてそっちに目覚めたの?」
「うぉっ!?び、びっくりした……って智恵かよ!いや、というかなんでここに智恵がいるんだよ!?」
何故俺の後ろに智恵がいるのかと疑問しか生まれないが、当たり前のように俺を見上げながらいつものペースで喋り出す。
「さっき教室から出てく優也が見えたから私もお花を摘みに来た」
「百歩譲って俺が教室を出たのを見てしまったのは隣のクラスだから仕方ないとして……どうしてついて来たんだよ!?しかも優しく包んでるみたいだけど理由はトイレじゃないからな?」
「うん、それは今知った。本当は自分で自分を叩いてハァハァするために……」
「だから違うんだけど!?しかも抜き足で人の後ろをつけてくるなよ!」
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