誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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けれども智恵はそんな俺と一緒に全てを投げ出す覚悟を決めてくれていた。 言葉では助けたいと言っていたが、いつしかそれは助かりたいに切り替わっていたんだろう。 だからこそ智恵の一言で目が覚め、今の考える案が形になろうとしているんだ。 智恵が全てを投げ出す覚悟なら、俺だってそれくらいの覚悟で挑まなければならない。 そんなのは一番最初に気づくべきだったが、俺もやっぱり強大な壁には萎縮してしまう人間だったみたいだ。 優也は今度こそ自分が窮地に立たされていると理解し、全てを投げ出す覚悟を決めた……捨て身の案へと身を投じる。 それからすぐに智恵に頭を下げて別れた優也は、携帯で同じようにもう覚悟を決めているであろう2人に電話を掛けた。 この2人と俺を合わせて3人で協力すればきっと何か出来るだろうとは思っていたけど……まさかこんなお願いをするなんて自分でも想像できなかったな。 その電話の相手であるカーターとボブも最初はそれこそ両親の逆鱗に触れると反対したが、優也の説明を聞いていくうちにその考えは徐々に変化していく。 「確かにそれが完璧に進めば成功の可能性も見えてきますが……もし何処かで失敗するような事があれば、優也様はこれから一生を棒に振るかもしれないんですよ?」
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