誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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放課後。 優也はさっそく自分の考えた案を伝えるために誠実の塔へと向かい、今も優也を救うために皆が話し合いをしている場へと入っていく。 しかしそんな事とは知らず優也は自信に満ち溢れた表情で声高らかに明日の事を伝えた。 「俺、決めたよ。明日2人を……誘拐してくる!」 その発言に部屋にいたメンバーは一瞬キョトンとした表情で優也を見つめた後……。 「やっぱり2人の両親に直接会って理由を聞いてみた方がいいと思うなぁ」 「そうね。確かにリスクはあるけれども理由が分からないままじゃ進まないものね」 「あ、あれ?千佳も舞も俺の一大決心はスルーですか!?」 あまりに華麗な無視に優也は慌てて言葉を掛けたが、その間に優希が憐れみの視線で見つめながら優也の肩に優しく手を置いた。 「かわいそうに。ここまで精神的に追い詰められるなんて……しかし心配するな!必ずお前は私たちが助ける」 「い、いや。だから俺が2人を助けるために明日……」 「もう何も喋らなくても大丈夫。優也は良くここまで頑張った」 智恵の残念な人を見るような態度に優也はやっと自分のミスに気付く。 そういえば話が唐突過ぎたかな……よくよく考えれば誰だって誘拐なんて言われてもピンと来る人はいないよな。 むしろ頭がちょっとあれなんじゃないかと疑われても致し方ない発言だったかもしれない。
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