誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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「だからこそなんですよ!これは俺が考えて考えて出した結論なんです。だから……話だけでも聞いてもらえませんか?」 優希の言葉を遮った声はまさに最後のチャンスを掴みとろうとしている人間の心理が垣間見えた。 ここにいる面子も様々な場面を経験してきただけに優也の覚悟に瞬時に気付き、もう誰も冗談だと攻め立てる者はいなかった。 優也もその反応が説明してみろと言う合図だと受け取り、カーターに話した案をそのまま包み隠さず話した。 そして内容を一通り話終えると、いの一番に口を開いたのは千佳だった。 「そんなの無茶だよ……だって優也君がそんなリスクを背負う必要がどこにあるの!?別に優也君じゃない他の人でもいいんじゃないかな!?」 それは優也を心配しての反対意見だったが、優也は静かに首を横に振る。 「これ以上他人を巻き込んだらそれこそ収集がつかなくなるかもしれない。だから……誘拐犯は俺じゃなくちゃいけないんだ」 それに今現在そこまでのリスクを負えるのはむしろ俺だけだと言っても過言ではない。 千佳もそれは分かってはいるのだが、失敗した時の見返りがあまりにも凄惨な結果になるのが見えてるため、それが恐ろしくてたまらなかった。
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