誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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「だって……もしも駄目だったら優也君は一生犯罪者呼ばわりされちゃうんだよ!?優也君が周りの事情を知らな人たちからそう呼ばれるなんて私は絶対に嫌だよ」 「千佳……ちょっと落ち着きなさい。まだ優也さんがそうと決まった訳じゃないでしょう?」 舞も内心では反対だったが、千佳の慌てる姿を見て自分は落ち着かなければいけないと悟っていた。 他人を助けるために人生を捨てるかもしれないなんて馬鹿げているとしか言いようがないが、今までの優也を見てきた舞いには嫌でも分かってしまう。 優也は必ずこの案を実行すると。 「優也の計算にはいつも自分の安全面が入ってないのは知ってたけど……ここまでくると脱帽かもしれない」 そして智恵でさえも今回は呆れたように肩をすくめ、残る障害は鉄壁の会長こと優希である。 「会長……どうですか?」 あまり長い沈黙には耐えられない優也は恐る恐る優希にそう訊ねる。 すると優希は優也の頭をコツンと優しく小突いた。 その予想外の返しに優也はもちろん他の3人も首を傾げてしまいそうになったが、それよりも先に優希が言葉を繋いだ。 「まったくもって腹立たしくてこの場でお前をボロボロにしてやりたいが……明日の為にこれで許す。だから……必ず明日は成功させろ」
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