誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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「まったくお前は可愛い奴だ。私が優也を捨てる?……そんな訳ないだろう。お前を絶対的に信用してるからこそ任せたんだ、それくらい察しろ」 自ら言って恥ずかしかったのか優希の頬は珍しく赤くなっていたが、優也はその言葉がこそばゆくてそれどころではなかった。 よかった……。 これでお前はもう知らんなんて言われていたら明日のモチベーションがとんでもない急降下をしていただろう。 だが優希は優也にとって最高の言葉を掛け、必ず明日は成功させなくてはという意気込みが更に増した。 「だから千佳の事は気にせずお前は明日の事だけに集中しろ。それでもっていい報告だけを私たちに持ってこい」 舞も智恵もそれに黙って頷き、優也の準備はようやく整った……かに思えたが。 生徒会室を後にした優也は時間を確認しようと携帯を開くと、香奈からの着信が30を越えていた事に気付いた。 そういえば完全にこの幼馴染みがいるのを忘れてた……。 やっと一息つけるかと思っていただけに疲れがどっと押し寄せたが、黙って明日行くわけにもいかない。 というより一番きちんと話さなくてはいけないのが香奈なんじゃないだろうか。 これまでずっと近くで支えてくれた妹だけに厳しい意見が飛んでくるのは覚悟しなければいけないが、そこをどうにか納得してもらうしかない。
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