誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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そんな危ない発言に一歩だけ後退したが、詩帆は気にせず話しを切り出した。 「それで優くん。話は変わるんだけど、明日の事はもうは決まったの?」 本当に唐突な転換だったが、ここだけはもう慣れているためその質問に真剣に頷いた。 「そっか……それならよかった。もしも駄目そうだったら私の考えたのはどうかなって思ってたんだけど、その自信そうな顔なら大丈夫そうだね」 その考えとやらを聞いてみたい気持ちが喉まで出てきたが、何故かそれを聞いてはいけないような気がした優也はどうにかそれを心に留めた。 詩帆さんの考えた案……なんだかドロドロしてそうだと思うのは俺だけだろうか。 まぁドロドロしてるのは俺のも同じなんだけれど……。 そんな事を考えているといつの間にか目の前にいる詩帆さんが髪を弄っていて、いつも髪を縛っている2本の紐をほどいていた。 そのうちの1本は俺の母の形見とも呼べるべき髪紐で、10年以上も経った今でもそれは大切に使われているのが分かる。 そして紐をほどいた詩帆さんの長くて綺麗な金髪は、風に揺られながらまるで宝石のように輝いていた。 素直に見とれてしまう優也だったが、詩帆のいつもとは異なる行動にハッと我に返る。
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