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「だからね……もしもこれが優くんと最後にお話し出きる機会なんだとしたら……私は優くんに1つだけ伝えなくちゃいけない事があるの」
そう言った詩帆さんの表情は今まで見たことがないくらいに緊張していて、俺までそれに釣られて体が強ばってしまう。
しかしなんだか映画なんかでよく見るシーンをそのまま再現しているみたいだと優也は少し呑気な事を考えている余裕があったのだが……。
それは次の瞬間にはもうそんな悠長な考えは吹き飛ぶ事となる。
「私ね。優くんの事が好きなの……いつも強くてまっすぐ前だけを見てる優くんが……大好きです」
夕日に照らされながら恥ずかしそうに笑顔を浮かべる少女を目の当たりにし、当たり前のように心臓の鼓動が早くなる。
今のは……告白、じゃないよな?
ただ友達として明日は頑張ってくれと激励の……。
「もしかしたら鈍感な優くんは友達としてとか思ってるかもしれないけど、私は本気だよ。本気で優くんに告白したの」
「ち、ちょっと待って!確かに詩帆さんがこんな冗談を言うとは思ってないけど……どうして、俺なんだ?」
たしか以前にも転入して早々俺に同じような事を言ってきた詩帆さんだが……今回のはそれとはまったく別物のような気がする。
言葉では上手く表現出来ないけれど、なんというか……はっきりとした気持ちが全部伝わってきたような、そんな感覚だ。
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