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いよいよ……というべきなんだろうけど、今更ながら色々と考えてしまう。
明日は上手くいくんだろうか、もし失敗したら自分はどうなってしまうんだろうか。
そんな事はもう何十回と頭の中で繰り返してきたはずなんだけど……やっぱり前日になるとまったく違うんだとつくづく思わされる。
でもどう足掻いても明日は普通にやってきて、あっという間に明日が終わる。
その時ここで絶望で途方に暮れるのか、はたまた歓喜に満ちた感情で胸がいっぱいになるのか……。
「って、そう考えたところで意味はないんだろうけどな」
どうせまた数分後には再び同じ事を頭の中でループしているんだろうと思うと、自分がいかに単純なのかが分かる。
優也はらしくないと無言で首を横に振ると、体の重さを全て預けるかのようにしてベッドに広がった。
「明日無事だったら……今度はみんなで天体観測行こうな」
そしてゆっくりと眠気が近づき、意識が遠のく寸前に優也はそう一言だけ最後に呟くと、そこで記憶は途切れた。
翌朝。
作戦当日という事だけに学園に登校する優也の表情は険しく、携帯を握りしめる手にも自然と力が入る。
それは2人の両親が帰ってきたらカーターから連絡が来る手はずになっており、いつ来るか分からない着信に神経を研ぎ澄ませているからであった。
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