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両親の目の前で行動を起こすのが今回の作戦の要になるので、そのチャンスを逃せば全てが水の泡になる。
優也はその一度きりのチャンスだけに集中し、それから間もなく正門へと到着した。
そして……。
その10分後にボブが到着すると、その乗ってきた車に優也は苦笑いで乗り込む。
「ボブ……こんなお約束な真っ黒いバンで来ることないだろ」
こんなアクション映画で悪役が使うような車なんか公道を走ってたら嫌でも目立つ上に、家に到着するまでに警察に職務質問されるんじゃないだろうか。
「ハハハッ!ドウセワルナラハデニダロ!」
しかしボブはいつもと変わらない様子で車を発進させ、家の近くまで来たところで近くのコンビニに車を止めた。
「じゃあ俺は手はず通りに最初に2人の両親を説得してみるから、もし駄目だった場合……」
「リョウカイダ。ソノトキガキタラオレモハラヲククルゼ」
俺はそれに頷き、ボブから連絡用のトランシーバーを受け取ると急いで和羽と関羽のいる家へと向かった。
出来ることなら俺も穏便に済ませて学園へ良い報告をしに行きたいが、もしも説得して駄目なら……。
そこまで考えたところで優也の隣をタクシーが通り、そのタクシーが2人の家の前で止まった。
その瞬間優也は咄嗟に電柱へと身を隠し、そのタクシーから2人の男性と女性が降りてくるのが見え、その2人が両親だと確信した。
あの人たちが和羽と関羽の両親……。
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