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パッと見た感じではあまり分からないが、男性も女性もまだ若々しく、表情も少し強ばってはいるが普段はもっと優しい表情の持ち主なのではないだろうか。
カーターの言う通りあの人たちが娘を簡単に引き離そうとしているようには見えなかった。
だとすると2人が離婚をしようとしている理由はなんなんだ……。
優也は焦る気持ちを抑えながら2人が家に入っていくのを確認すると、その場で大きく深呼吸をする。
ここまで来たらもうなるようにしかならないんだ……だったら俺はそれに全力で取りかかるしかない。
優也は再び落ち着くようにして息を整えると家の前へと移動し、ゆっくりとインターホンに手を伸ばすと……力強くそのボタンを押した。
そしてボタンを押してからすぐに中から足音が聞こえ、家から出てきた人物にゴクリと喉が鳴る。
「えっと……どちら様でしょうか?」
その人はどこか関羽のような優しそうな雰囲気を持ち、また和羽のような芯の強そうな瞳を持ち合わせている女性であった。
「あ、あの!俺は上谷と言うんですが、こんな朝早くに申し訳ありません。ですが今日は大切な話があって来ました!」
「は、はぁ……。それでその上谷さんがどのような用事で来たんでしょうか?」
力んだせいで声が上ずり相手が少し引いているのは分かってる。
だけどここは勢い任せで行くしかないのもまた確かなはずだ。
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