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だけどそれが偶然ではなく、全てが必然だったとすると……。
そう考えてしまう優也だったが、それを遮るようにして携帯の着信が鳴り響く。
画面を見るとそこにはボブの名前が表記されていて、優也は事の全てを伝えるために電話に出る。
そしてその話が終わると、ボブは珍しく神妙な口調で優也に警告を促した。
「ダッタラキヲツケロ。アイテハホンモノカモシレナイカラナ」
本物かもしれない……それはいったいどういう意味があったのか優也はすぐには理解出来なかったが、その数時間後に嫌でも理解する羽目になる。
しかしその場ではそれ以上の警告はなく、とにかく今はその人物たちが現れるのを待つという方向に決定した。
それから何時間が経った頃だろうか……優也はひたすら家の近くの影になる場所で待機し続け、端から見れば間違いなくそれは不審者の領域になってしまうだろう。
しかしそれでも優也は待ち続け、お昼を知らせる鐘が町に響いてから数分後……優也の握りしめていた手に汗が滲む。
「もしかして……あれか?」
その言葉は自然と口からこぼれ、優也が驚きの視線を向ける先には3台程の黒い車が現れ、次々に和羽と関羽の家の前で止まる。
最終的には5台の車が家の前で止まり、その光景はあまりにも閑静な住宅街には似つかわしいものだった。
そして車から何人ものスーツ姿の男たちが出てきて、パッと見では10人以上は確実にいる。
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