誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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あいつらが誰かは知らないけど……子供を守ろうとしている母親の手を振り落とした。 それはもう善悪を判断するまでもなく優也の怒りを増幅させる行動であり、優也はボブに再び連絡をとる。 「ボブ。あぁ。3分後に待ち合わせの場所で頼む。少し変更する点があるかもしれないけど……作戦には何の変更もない!」 和羽と関羽を両親の身勝手な意見で離れ離れになってしまう……それを防ぐために俺はここにいるつもりだった。 だけどあの状況を見て一体誰が2人の両親が悪だと判断するだろうか。 否、変更するのはただあの家族全員を守るという結果に変わっただけだろう。 優也は荷物からマスクと帽子を取りだすと、それらを着けて男たちが見張る家へと歩きだした。 そして少し近付いたところで家の中から男たちが現れ、その後ろから心を抜き取られたかのような幼い女の子が2人現れる。 それは間違いなく和羽と関羽で間違いはないのだが、俺の知っている2人ではなくなっている。 精神的にも肉体的にもかなりきているようで、足取りもおぼつかずフラフラと歩く姿はまるで……人形のようであった。 どうしてあんなにも幼い女の子が追い詰められなくてはいけないのか。どうして……あの男たちはそれを平気な顔で見ていられるのか。 優也には到底理解できない事だったが、自分のやるべき事はただ1つ。 またあの2人と……笑って過ごせる日常を取り戻すだけだ。
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