誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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そう思いながら優也は電話に出ると、どうやらカーターたちも無事ではあったが状況はこちらと変わらないらしい。 しかし和羽と関羽から説明が出来ない今、重要な話を訊けるとしたら……2人の両親からしか聞けないだろう。 それは向こうも分かった上で電話してきたらしく、カーターはすぐに2人の父親へと電話を渡した。 「すまない。まさか前々から話に聞いていた優也君にこんなに迷惑を掛けることになるなんて」 この口調からしてカーターは俺たちの作戦を概ね2人には伝えたようだったが、父親は本当に悔しそうな声色で謝罪を入れた。 「何かちゃんとした理由があるんですよね?そうじゃなかったら俺も誘拐なんて馬鹿な真似はしませんでしたから」 これはもともと2人が自分の娘たちを離れ離れにしなければいけない状況だった……というのが大前提になければ成立しない。 ただ2人の関係が冷えきってしまったから離婚する。という理由であるはずがないのはカーターたちの話を聞いてなんとなく確信していた。 だからこそ2人が和羽と関羽を離れ離れにする理由が知りたかったのだが……次の父親が話した理由に、優也は言葉を失う。 「そ、そんな……」 もし今の話が本当なんだとしたら……俺はどこまで考えを遡ればいいのだろうか。 いや、むしろあの人は……いったいどこまで先の事を予測していたのだろうか。
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