誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

68/74
前へ
/611ページ
次へ
「しかしお前らも馬鹿な連中だ。どこでこの情報を仕入れたかは知らないが……たった2人の子供のために無駄に人生を捨てるなんて……俺には考えられないな」 大袈裟なリアクションでやれやれと言って男はそう呟いたあと、無言で手を軽く振った。 それが何かの合図だったのは明白で、案の定他の車からスーツ姿の男たちがぞろぞろと降りてきた。 「言っておくが俺たちを敵にした時点でお前らの敗けなんだよ。それと無駄な抵抗すれば更に酷い人生になるから……覚悟しとけよ」 それは脅しではなく自信で、本当に無駄な抵抗をすれば相手はそれを確実に実行するに違いない。 それにもともと俺に誘拐は出来ても2人に危険な物を近付けて人質に取るなんて行動は無理だったからな。 ここにきて新たな欠点が生まれたが、それももう考えなくて済むようになる。 「まだ娘たちの両親を逃がした奴は捕まえてはいないが……それも時間の問題だ。だからまずはお前たち犯罪者から裁かないとな」 ニヤリと男が笑うと、スーツのポケットから伸縮出来る警棒のような武器を取り出した。 「オイオイ……ハンニンニモジンケンハアルンダゼェ?」 「何を今更……分からないようだから言っておくが、お前らの敵にした人はそんな法律に縛られるような人じゃないんだ。だから……大人しくしとけ屑どもがぁ!」
/611ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7683人が本棚に入れています
本棚に追加