誘拐犯!?優也の捨て身の解決案

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どこか楽しそうに話す伊集院さんだったが、その口ぶりでは少なからず伊集院さんも五箇先輩の事を認めていたんだと分かる。 この2人の関係がどういうものだったかはまだ分からないけど、きっと俺が考えている以上に深い関係なのかもしれない。 だけど今は俺の大切な繋がりを守ってもらうために伊集院さんに力を借ります。 優也はそう力強く心に決めると、小春に自分の思いの丈をぶつけた。 「俺は……全員であの学園に残りたいです!誰1人悲しまなくて済んで……それで1年の最後の行事である卒業式にもちゃんと出席したいんです」 これがもし伊集院さんの望む答えじゃなかったとしても俺はもう考えるつもりはないし、それにきっとこれ以上の結果なんてないはずだ。 そんな優也の返答に小春はしばらく無言でいたが、開口一番はやはり厳しいものであった。 「わたくしは3つのうちの1つを選べと言ったはずですが?それに全てを救うなんて事は不可能ですの……どれか1つを切り捨てなければ優也様たちの明日はありませんの」 だが優也もこれには引かず、小春の難題にすぐさま切り返した。 「不可能じゃありませんよ……きっと小春さんは分かってたんですよね?和羽と関羽の問題に自分たちの会社が関わっていたことに……だからあなたはわざわざ3日も俺にくれたんですよね?」
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