決戦!未来の学園に必要なもの。

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人は誰でも嘘をついたり他人に隠したい秘密が1つや2つ必ずあると思う。 それはどんな大企業の娘であってもそこは普通の人とは変わらず、むしろ秘め事となるなら世間に知られれば会社に影響を及ぼしてしまう可能性だってある。 なに不自由なく暮らしていると思われがちな大企業の娘だが、実は他の人よりも神経を使わなければならない事が山ほどある。 そんな星の下に生きている少女……もとい伊集院小春の秘め事。 それは……。 自分が現在伊集院グループの代表取締役兼会長の座に居座っている男。 伊集院 十蔵(イジュウイン ジュウゾウ)の血の繋がっていない娘であり、養護施設から自分が引き取られたあの日から……ずっと十蔵の人形のような存在である事。 小春には物心付いた時から家族という存在がおらず、両親の顔もまったく思い出せない、言わば孤児のような女の子である。 それでも小春にとって唯一家族と呼べる存在だったのが養護施設に勤務する職員の人や、同じ境遇の下に過ごす仲間達であった。 血は繋がっていないながらも絆は強く、遊ぶ時もご飯を食べる時も、寝る時でさえ一緒。 だが当時の小春にはそれが全てであり、それ以外の物は何も望まなかった。 しかしそんな家族の絆に思いもよらない形で亀裂が入る事となる。
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