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しかしその奇跡と呼べる救出劇が現実なんだと言う事が学園に到着してからすぐに知ることとなる。
約束通り瀬良さんは俺たちを安全に学園まで送ると、その後はどうやら伊集院さんの手回しで帰るように言われていたらしく一言も喋らずに帰ってしまった。
こちらとしては気まずい空気が流れるのも嫌なので助かったと言えば助かったのだが……。
学園の下校時刻と重なってしまったのは予想外だったな。
車内から放り出されるように降りた4人の前には今から帰ろうとする生徒がこちらを何事かと見つめており、中には優也の知り合いも混じっている。
何で早退した奴が校門の前で外人プラス幼女2人と一緒に棒立ちしてるんだよと言いたいのは分かる。
だけどこれには海のけっこう深い所と同じくらい深い理由があるんだと弁解したい。
そんな4人をこのまま無視して通り抜け
、帰っていいのかと悩む生徒たちだったが……その間から1人の救世主が現れる。
それは優也もよく知る顔のはずなのだが、今日に限っては地獄の扉から出てきた閻魔大王のような顔をしている。
「お、おぉ!香奈じゃないか!どうしたんだよ。そんな視線で人の魂を狩れそうな顔して……」
「優也もおかしな事を言いますね。もし本当にそれが出来るならとうの昔に殺ってますよ……えぇ、本当に」
な、なんか言葉に殺意が込もってた気がするけど気のせいだよね?
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