決戦!未来の学園に必要なもの。

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急激な声のトーンの落下による香奈の心配でようやく優也も反省の色が見え、再び頭を下げようとしたが、香奈はその前に口を開いた。 「ですが……これを私が昨日の時点で言ったところで、あなたは止まらなかったでしょうからね。それに今回の件でその桁外れな行動力を見て私も諦めましたよ」 香奈はそう言って肩を落としたが、優也の脳内に小さな疑問が浮かぶ。 「えっと……その感じからすると俺が今日した事はもうご存知で?」 「当たり前です。優也が駄目なら他の人に訊くまでですから。それよりも……先ほど私たちのところへある人が来たんですが、どちらかと言えばそちらの方を詳しく訊きたいですね」 「……ある人?」 香奈の言うある人にまったく心当たりがない優也だったが、次の瞬間には全てを理解することになる。 「とぼけても無駄ですよ。それで……なぜあの伊集院さんが頭を下げながら皆さんに召集の声をかけているのか……じっくり訊かせてもらいますよ?」 香奈の指す人物が小春と聞き、まさかこんなにも早く皆に事情を話そうとするとは思っていなかったので、優也も慌てて香奈に先ほどの経緯を話した。 「俺もさっき伊集院さんの話を聞いたばっかりで全部は分かってないんだよ。だからその理由は直接本人から訊いてみるしかないな」
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