決戦!未来の学園に必要なもの。

11/73
前へ
/611ページ
次へ
そうは言うものの香奈を含めた他のメンバーもまだ小春の事を信じているはずがなく、だからこそこうして香奈が代表してここに現れた。 「授業が終わってすぐに伊集院さんが来たので何事かと思いましたが、放課後になったらここに優也が来るという事だけ教えてもらいました」 それを聞き優也はようやく自分がここに連れて来られた理由が分かった気がした。 恐らく伊集院さんは今の自分ではまだ話を聞いてもらえることすら出来ない立場にいるのが分かってたんだ。 だから俺を仲介者にして話を聞くよう説得してみんなを集めてほしいんだと思う。 それくらいなら助けてもらった対価としてはまだ低いかもしれないが喜んで受ける。 恩義や義理に関しては敵も味方も関係ない優也はすぐさま小春のメッセージを受け取り、まずは香奈に自分の知る事情を移動しながら話した。 「つまりは伊集院さんがこれまで仕向けた災いは全てみんなを試すものであって、今日の問題が最後だったという事ですか?」 「今日が最後かはまだ分からないけど、今までの事はそうみたいだな……まぁ俺たちが何のために試されたかはまだ分からないけど」 そんな能天気な口調で話す優也は見て、香奈はつくづく自分の幼なじみで兄のようなこの男の危機感のなさに呆れる。 「はぁ……あなたは馬鹿なんですか?というか馬鹿ですね。えぇ、あなたは本当に馬鹿です」 「なんで3回言った!?そんな念を押すような言い方しなくても1回で分かるからな!」
/611ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7683人が本棚に入れています
本棚に追加