決戦!未来の学園に必要なもの。

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たしかに告白は断れた詩帆だったが、それが優也を見捨てる理由になるかと言えばそれは絶対にあり得ない。 きっと一度でも優也の敵に立った人ならば納得すると詩帆は断言できるという理由を1つ持っている。 それは優也はどこまでも敵対心というものが無く、本当に怒る時は必ず自分の友達が危機に晒された時だけであった。 それはつまり優也が本気で怒った相手は心変わりでもしない限り敵のままで、逆に優也が本気で怒った事のない敵なら……きっと心のどこかで仲間になれると思っている証拠という事だ。 その代表的なのが詩帆自身であり、目の前にいる小春もそれと同じ立場にいる。 だからこそ詩帆は理由を訊けば何かが分かると思い優也を庇ったのだった。 そして意見が2つに割れてしまい不穏な空気が漂い始めたところで、小春が自身に注目させるように手を叩いた。 「こうしている時間はもったいないですの。ですから詩帆様の意見が最も正論だとわたくしは受け取り……少しばかり長いですがお話させてもらいますの」 やや無理やりな入り込みだったかもしれないが、これ以上時間を無駄する事ほど愚かなものはないと皆も分かり、ようやく静かになる。 「よろしいですの。ではまずわたくしがお話しなければならない話は大きく分けて3つありますの」 小春はそう言って指を3本立て、これが重要だと言わんばかりの空気を即時に充満させた。 「1つ目はどうして生徒会を解散させようとしたのか、2つ目はわたくしが皆さんにしつこく問題を与えた理由。そして3つ目が……これから1週間以内に学園がお祖父様に乗っ取られてしまう可能性があるという事」
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