決戦!未来の学園に必要なもの。

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小春はそれだけは確実に分かりますと最後に付け足し、徐々に反対意見だった者たちの目が変わる。 「あなた方からせめて行動力と権力さえ奪えばお祖父様に楯突いたところで軽くあしらわれる程度に済みます。ですが生徒会という大きな組織からの攻撃は簡単にはあしらえない」 だから伊集院さんは会長たちという希望をこの学園に残すため悪を演じていたって事なのか。 そして五箇先輩もそれを知っていたからこそあんなに躍起になっていたんだ……。 明かされていく真実を前に、優也は改めてこの伊集院小春という人間が学園のずっと先の未来を見ていたんだと感嘆してしまう。 だがそれと同時に、優也はそうとも知らずにただ生徒会を守りたいという一心で動いたのが全て意味のなかったものなんじゃないかとも考えてしまう。 「俺は、本当に余計なお節介をしたんですね。ただ無我夢中で突っ走って……結果こんな大変な状況にまでなって」 そう口にした瞬間……優也の鼻を甘い香りがくすぐり、すぐに自分が小春に抱き締められていたと理解する。 「優也様は余計な事なんて何1つしてませんの。悪いのは強引にお祖父様と生徒会を引き離そうとしたわたくしですの。それに……」
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