決戦!未来の学園に必要なもの。

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会社というのは大きくなればなるほど全体の把握が出来なくなり、社員のコントロールも難しくなる。 最初は小さな穴かもしれないが放っておけば必ず穴は広がり、いつかは崩壊の直接的な原因に繋がる場合もある。 その代表的な会社が伊集院グループという巨大会社だったが、伊集院グループはその穴をずっと放置しているにも関わらず成長を遂げていた。 普通の人ならば会社の利益が上向きなら喜ぶのが当然であるが、景加の父はそうではなかった。 長年社会の歯車として働いている景加の父にとって、常に会社の利益が上がり続けるという現象は異常としか捉える事しかできなかった。 そんな小さな疑問から始まった情報収集はいつしか伊集院グループの闇に近付き、ついには十蔵が裏で行っている取引にたどり着いた。 「鵜島様のお父様が持つ情報は恐らくお祖父様にとって最大の脅威と言っても過言ではありませんの。ですからそれに気付いたお祖父様はすぐさま手を打ちましたの」 それが娘である鵜島さんを人質……いや、この場合だとどちらも自分の大切な人を人質に取られていると思わされている可能性の方が高い。 「じゃあ鵜島さんがまだ解放されてないって事はまだお父さんは情報をどこかに隠してるって事ですよね?」 「えぇ。ですがお祖父様は最初から鵜島様を解放する気はありませんの。それどころか恐らく鵜島様の妹である芽衣様も自分の操り人形として手中に収める魂胆ですの」
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