決戦!未来の学園に必要なもの。

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その人間とは思えない考えに優也は激しい憤りを覚えるが、今の自分の無力さではこの状況を覆すのは不可能に近い。 しかし……。 ここでようやく小春の表情が変わり、これまで話してきた話が全てなかったかのように穏やかになる。 「そこでわたくしが皆さんに協力してもらいたい事はただ1つ……お祖父様のいる伊集院グループ本拠ビルで鵜島様のお父様が軟禁されている場所を調べてほしいんですの」 そうにっこりと微笑みを浮かべた伊集院さんだが、その役目は俺たちなんかよりも伊集院さんの方が適任なんじゃないだろうか。 そう優也は心の中で思っていたが、小春はそれを見透かしたかのように答える。 「これはわたくし1人では絶対に不可能な作戦ですの。ですから皆さんが……どんなにお祖父様から甘い提案を出されても首を縦に振らないと信じているからこそ協力してほしいんですの」 人は必ず甘い誘惑には心が揺れ、1度でも揺れてしまえば確実にその揺れを止める事は出来ない。 だが最初からそんな誘惑にも動じず、強い心を持った人ならば話は別になる。 そんな数々の試練をはね除けた信頼出来る人たちが小春の目の前には大勢いる。 きっとこの最強のメンバーなら伊集院グループを……そして未来の学園やこの国をも救う事すら軽々しくやってのける可能性を秘めている。
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