決戦!未来の学園に必要なもの。

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「なんて最悪な侵入経路を確保してくれたんですか!もっと隠密に入る方法とかはないんですか!?」 「ここまで来てしまったからにはもう堂々と行くしかありませんの。それに今日の事は確実に瀬良がお祖父様に報告しているはずですし、どちらにしろ逃げ道はありませんの」 本当にピンチだと言うのにどうして伊集院さんはこんなに楽しそうにしているのかが分からない。 「諦めろ優也。それに伊集院の言う通りここまで来たからには正面突破が一番いいんだ!私たちも必ずサポートする」 優希の言葉に皆が頷き、どうやら本気で腹をくくる時がきたらしい。 今になって思うと生徒総会の時、俺は五箇先輩に期待していると言われた事があった。 もしそれがこの場面も視野に入れて言っていた言葉なんだとしたら……俺はその期待に応えたい。 伊集院さんをずっと支えてたであろう五箇先輩から渡されたバトンなら、今度は俺が伊集院さんを支えなければ……。 それに五箇先輩が退学してまで守ろうとした学園は、俺たちにとっても大切な場所なんだ。 優也もようやく覚悟が決まり、この一世一代の戦いに身を投じるように小春に視線を移した。 「ふふっ。良い目ですの。わたくしはこれまで多くのリーダーや代表と呼ばれる方々を見てきましたが……優也様のような方もいるんですね」
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