決戦!未来の学園に必要なもの。

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自分でも好きな人に対してこんな強い事を言うつもりはなかったのだが、千佳の中にもそれに勝る程の強い気持ちがあったからこその発言でもあった。 「いや……千佳は間違った事は言ってないよ。むしろ曖昧な返答ばかりしてる俺の方がよっぽど駄目だ」 しかしつい自分は失言をしてしまったかと落ち込んでいた千佳だったが、どうやらそれは優也の背中を押す大切な意見になっていた。 そしてそれから特に2人は会話をするわけでもなく歩き出し、学園の正門を出たところで優也は何気なく千佳に質問をした。 「急にこんなこと訊くのも変かもしれないんだけど、千佳は今まで過ごしてきた仲間とか友達で気になった人とかいる?」 「えっ?ええっ!私!?」 本当に唐突な質問にまさか自分の気持ちが優也にバレたんじゃないかと焦ったが、それがすぐに誤解だと気付く。 「うん。千佳は俺が入学する前から色んな人に人気があった訳だし……その中で誰か気になった人とかいなかったのかなと……」 あの常人では考えられないほどの唐変木である優也がこんな質問をするなんて本気でどうかしてしまったのかと千佳は一瞬考えてしまうが、滅多にない会話に少しの期待を持ってしまう。
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