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「き、気になってる人はいるな……あんまり大きな声じゃ言えないけどその人はいつも俺の近くにいてくれる人なんだ」
「あはは。やっぱり優也君にも気になってる人がいるんだ……って優也君好きな人がいるの!!?」
大きな声では言えないという優也の前置きを完全にシカトして千佳はその場で飛び跳ねるほど驚いたが、優也もその声量にはかなり驚いた。
ついさっきまで何か思い詰めていた感じの女の子が周りの人の視線を集める程の声を出せばそれは驚くに決まっているが……。
「そんな俺に好きな人がいるのが予想外だったのか……」
特別自信があるわけでもなかったが、その好きな人本人にここまで驚かれると正直生き恥どころの騒ぎではなくなる。
「べ、別に予想外とかじゃないよ!ただあの唐変……じゃなくて恋愛とかに疎い優也君に好きな人がいるなんて……ちょっとびっくりしただけだよ」
なんだろう……もしかすると俺はいつの間にか周りの人にそっち系の人なんじゃないかと思われてたのか?
その瞬間に真っ先に浮かんだ顔が大地だったが、即座にその幻想に正拳突きを食らわせる。
「言っておくけど俺は至ってノーマルだからな?千佳の思う俺がどんな人かは知らないけど、これだけは頼むから頭に入れて置いてくれ」
「わ、私の思う優也君だなんて……なんか恥ずかしい台詞じゃないかな?」
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