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「どちらにしろ俺は恥ずかしい奴だった!?」
どうして今のが恥ずかしい台詞だと捉えられたかは分からないが、とりあえずこれ以上自爆したら本気で千佳に失望されそうなため少しだけ話を変えることに。
話の内容はちょっとあれだったけど、とりあえずいつも通りの感じに戻りつつあったため俺は千佳の悩み事を訊いてみることにした。
「そう言えば最近何か悩みでも抱えるような出来事とかあったのか?みんなもかなり心配してたみたいだし」
千佳もその質問が来るのは想定していたが、優也にそれを打ち明けて良いものなのかと更に悩んでしまう。
伊集院グループの問題が最優先である今、こんな小さな自分の悩み1つで優也を困らせたくはなかった。
きっと優也だったら困るどころか真剣に相談に乗ってくれるというのは分かっていても、今はタイミングが悪い。
そんな千佳の不安を他所に、優希たちから任された以上はその義務を果たさなくてはいけないと優也なりにも考えるところはあった。
それに今は全員が1つにまとまらなければいけない状況なため、千佳がこうして悩んで落ち込んでいると俺も含め他のみんなも千佳を心配してしまう。
「もし俺に話せないような内容だったら別な人に訊いてもらうか?会長とか舞、それに智恵だってみんな普段はふざけてるかもしれないけど、きっとこういう時なら力になってくれると思うぞ?」
そう優しく諭す優也だったが、その生徒会の人に相談出来ない悩みだからこそ千佳はこうして悩んでいるのであった。
生徒会のメンバーに相談出来ない理由……それはつい先日優希から正式に自分が来年の生徒会長を務めてほしいという頼みがあり、会長という大役を果たして自分が担えるかという悩みであった。
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