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優也の先手を打つ一言に千佳は思わず首を横に振ってしまい、観念するように事の成り行きを話し出した。
「うぅ……じ、実はね。前に優也君がたまたま聞いた会長の話なんだけど、優希ちゃんが次の会長はお前がやってみろって……」
優也は一瞬だけきょとんとした顔で千佳の顔を見つめてしまう。
千佳が生徒会長?
その話は優也の中で何か光り、近い将来千佳が皆の先頭を立って歩く姿を想像すると、それはとても……明るい学園生活が待っているような気がした。
「あ、あははっ。やっぱり優也君も黙っちゃうくらいびっくりだよね。私なんかが生徒会長になったって……」
「凄いじゃないか!もしも本当に千佳が生徒会長になれば絶対にみんなが喜ぶぞ!」
「えっ?ええっ!?」
まるで自分が何か偉大な事を成し遂げたかのように喜ぶ優也は、そのまま勢いで千佳の頭を撫でてしまう。
「千佳が会長なるなら俺も全力でサポートするよ。いや、むしろサポートさせてくれ」
「ゆ、優也君……なんかちょっと恥ずかしいけど、もしお世辞とかだったら大丈夫だよ?私がみんなの上に立つなんて夢のまた夢なんだし」
急にしゅんとなってしまう千佳だったが、優也は優希の見る目がやはり本物なんだと確信する。
千佳はこうやって自虐的だけど、必ず千佳なら生徒会長の器に適しているし、舞や智恵だってそれが分かっていたからあんなにも頑張って会長を説得してくれたんだと思う。
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