決戦!未来の学園に必要なもの。

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思わず本音が喉まで出かかった優也だが、顔を逸らしそれをどうにか抑え再び千佳の方へと振り返る。 「大丈夫。会長や舞は卒業して大学に行くかもしれないけど、俺が会長の仕事に専念出来るように支えるから」 こんなにも自分を慕ってくれる後輩に千佳は胸の鼓動が高鳴り、こんな雰囲気なら告白だっていけるんじゃないかと思ってしまう。 「優也君。私ね……」 しかし千佳にも心の準備というものがあり、告白まではいかなかったがその場の雰囲気で優也にこう宣言する。 「その……会長になって今の3年を卒業させてあげたら、私好きな人に告白……しようかなぁ、なんて思ったりもしてるんだよね、あはは」 照れながらそう言った千佳であったが優也の胸はチクリと痛み、その痛みは千佳の思う人が気になっているからであった。 ち、千佳が告白……やばい、もうなんか他の情報とかいらないから千佳の好きな人の名前だけが知りたい。 「な、なるほど……だけど千佳の好きな人ってどんな感じの人なんだ?」 完全な棒読みであったが、それは優也が緊張しながらも千佳の思い人の情報を少しでも知りたいという気持ちの表れでもあった。 「うーん。言葉じゃ難しいんだけど、いつも優しくて、それでその人を見つけると無意識に近付いて話したくなっちゃうような人かな」 「べ、ベタ惚れだと……じゃあその人の苗字か名前は教えてもらえないか!?」
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